ネルソンの組立日誌(3)

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2002/09/04

かま完成
 壊れやすいので後回しにしていたキャブの手すりを付け、フレームに動輪、ロッド、先台車、モーター、ドローバーを取り付け、電気配線をし、上下合体。未塗装のかまの完成です。
 メインロッドはこの段階で初めて付けましたが、このロコは弁装置が無い(外から見えない)ので、走りに関係するのはクロスヘッドとピストン棒とスライドバーだけであり、全く問題は生じませんでした。

足回りについて
 動輪は第1と第2がイコライザーでつながっており、その左右の2点と先台車のセンターピンの1点で3点支持になっています。先台車そのものはがっしり組まれており、イコライジングしません。
 なお、テンダーは前輪と中央輪をイコライザーでつなぎ、後輪の左右をセンターで支え、3点支持としています。

集電
 このモデルは、先輪2輪も左側のみ絶縁されていて、集電機能を持っています。テンダーも3輪から集電します。従って、かなり、良い走行をしてくれるのではないかと期待しています。

2002/09/05







テンダー
フレーム
 テンダーの製作に移ります。
例の木っ端と両面テープで直角を確保しながら、フレームを組みました。その後、軸受けをハンダ付けです。軸受けはダミーで、その内側にあるイコライザーが車軸を支えています。
 車輪をセットし、レールの上に置いてみると、なんと、ショートするではありませんか。調べると、絶縁側の車輪のフランジが床板に触れていました。誤差なく組んであり、設計ミスだと思います。床板は真鍮版を2枚を貼り合わせていますが、下の床板は、フランジを逃げて、穴を開けておくべきであったと思います。しかし、これをもう一度ばらして穴を開けるという作業をする気が起こらなかったので、そのままモーターツールで深さ0.7ミリほどの溝を掘りました。イコライジングしてもショートしません。
 この状態で、かまにつないで走らせてみたところ、一応走りました。安心して、つぎの作業に移ります。細かいパーツの取り付けは後回しにします。
 床板のレンコンの穴はサウンドシステムのスピーカー用です。今のところ組み込む予定はありません。
ボディー
 これも木っ端と両面テープで簡単な治具を作り、動かないようにしてハンダを流しました。弁当箱を作っているような気分です。

2002/09/06





テンダーの細部
 上回りの水取口や石炭取り出し口、開放テコ、エアホース、手すり、下回りはステップ、ブレーキ回りを付けました。
 ブレーキ回り(ブレーキシュー、テコ、引き棒など)は、車輪を組んだ後、ビス止めする構造ですが、ハンダ付けで組むときは、もちろん車輪を外して作業をします。

一応完成
 組む作業は全部終わったので、全てのブロックを一つに組み立てました。塗装を残して、一応完成です。
 製作に着手して12日かかりました。明けても暮れてもこればっかりやっていましたから、ま、こんなもんでしょう。
 この後、軽快に走るようになるまで調整し、それが済めば、一旦ばらして洗浄し、塗装となります。

2002/09/07

走行テスト
集電不良の原因
 豊後鉄道のレールに乗せ、走らせてみました。試運転にしては軽く走るのですが、所々でぴたっと止まってしまいます。
止まり方から、通電不良だと察したのですが、なかなか不良原因がわかりませんでした。
 初めは、ドローバーの接点を疑い、クリーニングしてみましたが、良くなりません。次にテンダーの足回りを疑い、テーブルの上に置いてみると、テーブルに接地していない車輪があるではありませんか。イコライザーが機能していない証拠です。
 調べてみると、イコライザーの板は段ワッシャを介してビス止めしてあり、そこがイコライザーの支点になるのですが、段ワッシャの長さがイコライザーの板の厚さに対して余裕がなくビスを締めるとイコライザーまで締めてしまう状態になっていました。少しビスをゆるめてやると正常に機能します。塗装後組むときには、塗料を塗るなりして、ビスが抜け落ちないようにする必要があります。
 イコライザーを調整してもなお走行は不安定で、瞬間的にテンダーの車輪とレールとの接触が断たれる様子です。いろいろ調べて、やっとその原因がわかりました。
 ドローバーは写真のような形状で、ちょうど洗濯鋏みのようにスプリングの力でテンダー側のシャフトを鋏むようになっています。(右がカマ、左がテンダー)
 ドローバーには穴が二つ用意されていますが、当鉄道では、カーブが緩いので、奥の穴でシャフトを鋏んでいます。(つまりドローバーを短く使っています。自慢。)
 このスプリングがかなり強力で、シャフトが穴の中で回転することは問題ありませんが、上下には滑りません。また、ドローバーを止めてあるカマ側のボルトにも強いコイルスプリングが入れてあるので、ドローバーもねじれ運動はできません。そのため、ロコが傾くとテンダーも一緒にひねられてしまいます。それで片側の車輪のレールへの接触が不十分となっていました。
 これがわかれば対策は簡単で、一つはコイルスプリングを少し短くし力を弱くしてやり、ドローバーが動きやすいようにしました。もう一つはカマとテンダーを繋いだとき、テンダーのシャフトを深くドローバーの穴に刺すという簡単なことでした。
 これで、わがネルソンはほかのどのロコにも負けず軽快に走るようになりました。あとは塗るだけです。
 今日は湿度が高く、風が強いので塗りません。

2002/09/08

写真なし

ハンダ付け
 今日も湿度が高く、風が強いので塗装は出来ませんでした。製作の進行がないので、いままでの組み立てのハンダ付けの中で感じたことを書いてみます。
 この、ロコの組み立ては、やはりハンダ付けが勝負でした。そのハンダ付けの中で、体得したことを2つ紹介します。
 一つはハンダは温度を上げていくと、固体から液体に変化しますが、そのとき、固体でも液体でもない中間の性質を持つ時期があることがわかりました。例えば粘土のように、力を加えなければ形は変わらないけれど、力を加えると変形します。
 これを利用して出来るテクニックですが、パーツが僅かにずれて付いてしまったとか、わずかに隙間が開いてしまったという状態の時、パーツを動かしたい方向に力を加えながらハンダごてで温度を上げていくと、ハンダが粘りを持つ感じで、パーツが力を加えた方向にちょっと動いてくれます。これが出来るようになってから、僅かの狂いに気づいた時の修正が随分楽になりました。
 二つ目に体得したことは、キサゲについてです。
 もともと、キサゲは余分に付いたハンダを削り取ることであり、面倒な余分の作業という認識でした。しかし、キサゲは落ち着いてゆっくりやらないときれいに仕上がりません。そして、ハンダ付けした個所をその都度やらないと、あとではやりにくくなることが多いです。そんなキサゲの作業を何十回と繰り返しているうちに、いやな作業ではなくなりました。
 一箇所のハンダ付けを終えると、一旦こての電気を切ります。そして、静かな気持ちでキサゲていると、うまくハンダ付けできていないことや間違えていることに気づくことがしばしばありました。せっかちな私には、よいクールダウンの時間です。ロコ組み立ての後半では、むしろキサゲは楽しみながらやるようになりました。

2002/09/09

塗装の下地処理
 今日も、湿度が高く塗装は無理なので、下地処理までに留めました。
 先ず洗浄ですが、ロコをばらし、鍋に中性洗剤を溶かした湯を沸かし、しばらく煮ました。湯に漬けるだけより煮るほうがはるかに汚れが落ちます。湯が動くからでしょう。油やハンダかすやらが湯面に浮いてきます。ブラシの届かない所の汚れも、ある程度取れます。その後その湯でブラッシングし、汚れた湯を捨て、もう一度きれいな湯で炊いてすすぎました。両面テープの接着剤や治具の木のヤニなどの心配があるので、さらに工業用アルコールで洗いました。
 次にプライマーを塗りました。模型店主の薦めで、Mr.メタルプライマーというグンゼのカンスプレーです。写真のように、ボディーは木で作った台に両面テープでくっ付け、その他のパーツは竹串に串刺しして塗りました。

2002/09/10

塗装
 待ちに待った塗装日和、湿度も50%、風も穏やかになったので、塗装をしました。
 塗料はグンゼの油性ラッカーをブラック2:つや消しブラク1の割合で混ぜ、それをシンナーで4倍くらいに薄めて使いました。もう少しつや消しが多くてもよかったかなと思います。
 道具はエアブラシがオリンポスのHP-100D、コンプレッサーはミヤタのスプレーワークです。もともと、このコンプレッサーには、エアガンが付いていたのですが、模型の先輩から、これでは細かい霧が吹けないとのアドバイスを受け、最近エアブラシを買い足したものです。高価でしたが値打ちはありました。
 2時間置きに4回吹きました。ほとんど3回で塗れたのですが、キャブの内部などの一部が薄く、部分的に追加で吹きました。
 完全乾燥を待って、明日、ナンバープレートやランプのレンズなどを付けて完成させたいと思います。

2002/09/11

完成
 スライドバーと摩擦部分の数箇所の塗装をナイフで剥いで塗装関係の作業は終わりです。なお、スプラッシャーの真鍮磨きだしの2本線をどうするかはペンディングにします。
 ナンバープレートとメーカーズプレートはゴム系の接着剤で付け、キャブの丸窓ガラスとテールランプレンズは木工ボンドを水で少し薄めたもの(Webの掲示板で教わった)で接着しました。
 カップラーは前後ともケーディーの8番を使いました。ただし、前は見栄えを考え、鉄製の開放用のテコは切り取りました。
 ばらしてあったパーツを組み立て完成です。なお、問題のテンダーのイコライザーはビスをゆるめに締め、ビスの抜け落ち防止にビスの尻に木工ボンドを塗りました。
 ギヤボックス内はシリコングリス、軸受けとロッドにはシリコンオイルを注油し、テンダーのシャフトをドローバーに深く差しレールへ。(“深く”が大事)。パワーパックのダイヤルを回すと、なんと、いきなり滑るように走ります。
 完成しましたぁ〜。
 今、パソコン入力をしている目の前を客車2両を牽いて、行ったり来たりしています。快調です。
 なお、明日、このキット組み立てのまとめをして、この日誌を終わりたいと思います。

2002/09/12

スプラッシャーカバーの真鍮磨きだし
 迷っていたスプラッシャーカバーの真鍮磨きだしは、結局、実施しました。どうも、真っ黒けで地味すぎる印象なので、唯一のおしゃれとして真鍮磨きだしをやりました。ドライバーの先に1000番のペーパーを付け、慎重に塗装を剥ぎ、真鍮の地肌を磨きました。しかし、案の定、若干回りの塗装を傷つけてしまい、筆塗りでごまかしてあります。

キット組立後の感想
 はじめて本格的なキットを組んだ私が、それなりに完成できたのは、キットの良さを物語っているものと思いますが、まとめてみると次のようになります。(もちろん、1台のみの経験で、独断と偏見に満ちています。)

良いところ
1.走行がよい
 ・動輪の位相が合っていて、かつ、しっかり固定されている。
 ・フレーム、サイドロッド、軸受などの精度もよい。
 ・ギヤボックス、モーター等も問題がない。
 ・先台車からも集電しているし、動輪、テンダーもイコライザーが付いていてレールとの接触が良好。
2.パーツの加工精度が高い
 ・ランボード、ルーフの曲げ角度を修正したり、若干のバリとりをした以外は、ほとんど手を加える必要はなかった。
3.図面がよい
 ・前後左右下からの5方向からの図面があり、パーツの取り付け位置は全て図面から読めた。
 ・組み立て説明図も適切。

問題点
1.テンダーの車輪が床板に当たる
 ・設計ミスと思われるが、そのまま組むとテンダーの車輪のフランジが床板に当たる。
  対策は、組む前に床板のその部分を欠き取るか、組んだあと、モーターツールなどで削る。
2.テンダーのイコライザーが動かない
 ・イコレイザーの支点は段付きワッシャーを介してビスで床板のパーツに止めているが、段付きワッシャーの長さがイコライザーの板の厚さに対して不足しており、ビスをしっかり締めるとイコライザーまで固定されてしまう。
  対策は、段付きワッシャーを作り直すか、ビスを緩めに締めて、ラッカー等で抜けないように固定するかであろう。
3.ドローバーの動きが堅い
 ・ドローバーの構造やバネの強さに問題があり、通電性はよいが、そのかわりロコ本体が傾くとテンダーまでが傾いてしまう現象が起きる。
  対策は、バネを弱くするのと、ドローバーの穴にテンダーのシャフトを深めにさす。
4.低速でのトルク不足
 ・動輪が大きいためか、低速でのトルク不足を感じる。逆に高速は出過ぎるくらい出る。せっかくギヤボックスで1枚平ギヤを噛ませているのだから、ここでもう一段1:2程度減速すべきであった。

組み立て上の注意点
1.フレームとボディーの接点について
 ・多くのロコはボディーとフレームは、シリンダーブロックとキャブの後ろの3点が接触しているだけだが、このロコは、長い部分で接してしる。
  シリンダーブロック、ランニングボード、ボイラー後部、キャブの床板と、フレームの上部はほとんど全部ボディーに接している。おまけに、ランニングボードの前半は水平ではなく角度を持っていて、狂いが分かりづらい。
  そのため、下記のランニングボードの曲げ角度やボイラーとキャブ、ランニングボードとの接合、あるいはフレームのランニングボードとのビス止めのための板の接合などの時に、十分に現物合わせをして位置や角度を確認しながら作業する必要がある。
 ・私は、キャブの左側の床板の位置が低すぎて、フレームに当たるという失敗をした。
2.ランニングボードの曲げ角度
 ・ランニングボードは2枚の板を張り合わせて表現するようになっている。ランニングボードは前半部が水平ではなく、2枚ともあらかじめ曲げてあるが、この曲げ角度が大きすぎる。2枚をハンダ付けした後では角度の修正は出来ないので、その前に設計図や現物のフレーム、スプラッシャーカバーとよく合わせておく必要がある。

最後に
 無事完成し、大喜びしています。岡山模型さん、はぎちゃん、シェフの掲示板のみなさんの的確なアドバイスと情報、それに励ましをいただきありがとうございました。また、駄文の日誌を最後まで読んでくださった皆様に感謝します。初めて本格的なバラキットをこんなに順調に完成できたのも皆様のおかげです。重ねて、お礼申し上げます。