E600製作日誌(1)

*写真をクリックすると大きく見えます。

    

2006/07/07



出来るかな?
 エッチングキットの6760が完成したので、次作のロコを検討しています。
 少し以前に、写真集「機関車の系譜図」の中にある台湾総督府鉄道部のE600の写真を見つけ、いいなあと思っていました。一方、スクラッチビルドは何回かしていますが、いずれもフリースタイルに逃げていました。一度スケールモデルをスクラッチで作りたいものだという思いを持っていました。
 このE600は旧国鉄がアメリカ、アルコ・スケネクタディ社にキュウロクの基本設計で台湾用に製作依頼をしたもののようですが、その結果、日米混血児のようなあやしい魅力があります。そして何よりも嬉しいのは、動輪がキュウロクのものをそのまま使えることです。
 ちょうど、オークションで新古品で、スパイクモデル社の9600動輪セットが出ていたので、落札しました。動輪とギヤボックスとモーターおよび付属品のセットです。
 知らずに買ったのですが、ものすごく凝った製品で、なんでもウォームギヤもコスティングギヤーといって、歯車の形状が特殊で、平ギヤ側からの回転でウォームが回ります。また軸受けもベアリング入りです。
 オークションの出品者に「ネコに小判かも」と言ったら、「トラに大判にしてください」と言われ、プレッシャーを感じております。
 また、先達のMさんから、ベアリングに通電するとベアリングが痛むと脅かされたりしています。
 ともあれ、テンダーの車輪と先輪もアダチの貨車用の台車の車輪を外して用意できたので、パーツの心配はとりあえずなさそうです。
 しかし、資料がこの写真一枚と簡単な形式図があるだけで、公式側の様子が全くわかりません。図面を引きかけているのですが、苦戦しています。
 なにか、情報をお持ちの方がいらっしゃったら、メールをいただけると大変ありがたいです。

2006/07/08

図面引き、主台枠
 サンゴの96のキットの図面と「系譜図」の形式図とパーツの現物を見ながら、基本的な寸法などを決め、おおまかな図面を引きました。 出来るだけ6760のように車幅を狭く仕上げたいと思っています。
 さて、まずは主台枠から取りかかりましょう。
 E600の主台枠は棒台枠です。上下の幅を狭く仕上げ、動輪が台枠の上にはみだす様子を表現したいと思います。
 細くするために、強度の問題も出てくるので洋白板を使いましたが、一方で糸鋸挽きの力仕事を考慮して、やや薄手の0.8ミリ板にしました。本当は中を抜きたかったのですが、イコライザーの支点の問題などがあるし、動輪とブレーキシューでほとんど隠れてしまうので、抜くのは一番後ろだけにしました。
 さらに、台枠を真っ直ぐに作ると、軸受け守の上が2ミリ幅になってしまい強度が心配なので、第3、第4動輪の軸受けの上は幅を3ミリに広げました。動輪に隠れて余り見えないだろうという計算です。第1、第2動輪の軸受けの上はダミーの担いバネを一体で作ったので強度が出て助かりました。残念ながら、第3、第4動輪の担いバネは火室の関係で下に来るために、台枠には付けられません。
 一日がかりで、台枠を切り出しました。ヤスリでの整形は、スペーサー用に開けた穴に2ミリネジを通して左右の台枠を重ねて固定し、同形になるようにして削りました。
 軸受け守は、0.1〜0.2ミリほど余裕を残して削っています。ケガキ線が見える程度です。サイドロッドとの関係を見ながら仕上げる予定です。

2006/07/09

台枠・スペーサー
 ご好意で、シェフさん、中村さんから貴重な情報をいただきました。その中にあった写真の一枚を見ると、96と違って、ボイラーと台枠(動輪)との間が大きく開き、向こうの明るい景色が丸見えになっているのが印象的でした。台枠を細く作ったのは正解でした。
 左右の台枠を止めるスペーサーですが、今までのスクラッチでは採用しませんでした。旋盤がなく、精度に自信がないからです。しかし、今度のE600は4点支持にするつもりなので、イコライザーの支点や動輪押さえ板のネジ止めを考えると、やはりスペーサーが便利だなと思い、挑戦してみることにしました。
 旋盤の代わりにドリルレースです。5ミリの真鍮丸棒を大型のドリルにくわえて糸鋸とヤスリで削りました。何回もノギスを当てて寸法を見ながら削りました。
 両端に、カシメやすいように0.8ミリの穴を1ミリほどの深さに開けておきました。
 挽き終えた後、動輪押さえ板を止めるための2ミリのネジ穴を開けました。
 なお、台枠の幅は外側寸法で13ミリにしました。
 出来上がったスペーサーを台枠板に組み、金床の上に置いて、スペーサーの端に開けた0.8ミリの穴にポンチを当て、金槌でポンチを叩いてスペーサーの端をカシメました。途中で寸法や直角を確認しながら叩いていきました。結構、途中で修正が利くもので、ハンダ付けより組むのが易しかったです。また、真鍮や洋白の粘り強い材質がありがたかったです。

2006/07/10

台枠・梁
 梁の位置を考えていて、昨日付けたスペーサーがとんでもない間違いをしでかしていることに気が付きました。前のスペーサーが邪魔でギヤケースが入りません。
 スペーサーの中央部を大きく欠き取ることにしましたが、そのまま切断すると、折角組んだ台枠の精度が失われてしまうので、先に前梁と後梁を付けることにしました。
 前梁はシリンダーブロック取り付け板を兼ねます。後梁にはドローバーが付きます。また、後梁は前方に延ばし、モーターが乗る台になり、かつ灰箱の取り付け板にもなる予定です。
 前後梁は0.8ミリの洋白板を使いました。
 中梁はもともとモーションプレートを取り付けるために付けるつもりでおりましたが、スペーサーの中央を欠き取ることになったので、そのスペーサーを補強し、かつ動輪押さえ板を取りつける板を兼ねなければなりません。
 そこで、中梁の上部分にモーションプレート取り付け、中部分でイコライザーを補強し、下部に動輪押さえ板を止める構造にしました。
 複雑な形状に曲げなければならず、あまり厚板は使いたくないし、一方ネジ穴をあけるので、その強度も必要で、その兼ね合いで0.5ミリの洋白板を使いました。

2006/07/11



台枠・梁(2)
 台枠が狂うとまずいので、先に前中後梁を台枠にハンダ付けし、その後、スペーサーの中央部を糸鋸でカットしました。
 ギヤケースは、ぎりぎり中梁の間に収まりました。
 よく考えないで工作を進めると、ひどい目に合うという事例です。
 ここまで組むと、細い台枠も大変丈夫になり、強度の心配はありません。
 なお、後スペーサーと動輪押さえ板との間に1.5ミリほどの隙間ができるので、2ミリナットをスペーサーにハンダ付けしました。黒い鉄ネジで止めてハンダ付けすると、ネジにハンダが回る心配がありません。

2006/07/12

台枠・動輪押さえ板
 動輪押さえ板も棒台枠の雰囲気を出すために薄くしたくて、0.5ミリの洋白板を使いました。

2006/07/13





台枠・モーター台、集電シュー
 モーター台にネジを通す2ミリの穴を開けておきました。この動輪セットには、そのモーターを止めるネジやコイルスプリングなども入っていて、なんだか随分ご丁寧なセットです。
 日誌の冒頭でも触れましたが、この動輪はベアリング入りの軸受けが付いています。ところが、その軸受けに通電すると、ベアリングのボールがスパークで傷が付いてしまうとのことです。そのため、動輪は左右とも絶縁され、左右ともシューでタイヤから集電する構成になっています。
 タンクロコなどはやむを得ずタイヤを擦るシューによる集電をしていますが、とかく汚れが溜まったりしてトラブルの原因になるので、できれば避けたいと思いました。それにみっともないし、ブレーキにもなるし…。
 それで普通のテンダーロコのように動輪で右から集電し、テンダーの車輪で左から集電することにしました。
 まず、4個の動輪全てについて、片側の絶縁を破りました。動輪の内側から絶縁部分に0.5ミリの穴を開け、そこに0.5ミリの真鍮線を圧入しました。
 次に、軸受けを通さないために、車軸にシューを当て、集電することにしました。車軸は1.5ミリ径の構成です。細いので余りブレーキはかからないと思います。
 0.1ミリの燐青銅板を切ってシューを作りました。
 第1動輪のシューは台枠の前梁の下側にネジ止めしました。(写真のシューは間違えて裏返しにしています。)
 第2動輪はギヤケースが集電するので、シューは付けません。ただし、そのままでは、車軸がギヤケースに入ったところにもベアリングが付いているので、下の写真のようにギヤケースに0.25ミリの燐青銅線を巻いて、それが直接車軸に接するようにしました。(こんなことで、うまくいくのかなあ。)
 第3、第4動輪のシューは後スペーサーの上にネジ止めしました。第4動輪の車軸にはブラスト音用のドラムが付いているので、それを避けて二股にしました。
 これでシューからの集電は間違いなく出来るはずですが、一方、恐れているベアリング内の通電を確実に阻止出来るかどうかについては、余り自信がありません。失敗であれば、その時点でどうするか考えることにします。オイオイ!高い動輪なのに!